渡辺始興(1683–1755年)は、武家出身の京都の画家で、狩野派の画法を身につけたのち、尾形光琳のもとで琳派を学んだ。10代の時に、光琳・乾山兄弟から頼まれて陶器に狩野派風の絵付けを行ったともいわれ、やがて独自の画風を確立した。緻密な観察にもとづいて正確に描くことに情熱を注ぎ、草花をじっくりと観察して丁寧に描写した。力強い墨の輪郭線と、金箔や銀箔を使った斬新な画風を打ち立て、円山応挙を始めとする同時代の京都の画家に広く影響を与えた。