酒井抱一(1761–1828年頃)は、姫路藩主・酒井家に生まれ、狩野派を皮切りに様々な画風を学ぶうちに、尾形光琳の作品に出会い、大きな影響を受けた。やがて優れた画家となり、琳派の発展に貢献した。抱一はまた、光琳の作品を木版画にして、『光琳百図』という本にまとめており、抱一の弟子、鈴木其一も尽力した。抱一は俳句にも才能を発揮し、日常の何気ない出来事に目を向けて細やかに表現する俳句の芸術性を、絵画表現に取り入れた。季節や天気によって移り変わる自然風景や情緒を描き表し、琳派様式の可能性を押し広げたのだ。