鈴木其一(1796–1858年)は染物屋に生まれたが、1813年に酒井抱一に弟子入りしたあと、亡くなった兄弟子の家を継いだ。1828年に抱一が世を去ったのち、徐々に師の画風から離れ、風景や動植物の細部を省いた洗練された形に描く、独自のスタイルを確立した。伝統的な形式にとらわれず、生き生きとした自然描写と、大胆で装飾的な構図を共存させることで、迫力ある画面を生み出したのだ。こうして其一は、抱一が育んだ琳派の伝統を受け継ぎ、息子や弟子たちを導いてさらに発展させた。