曾我蕭白(1730–1781年)は、強烈で感情あふれる、斬新な作品を数多く描いた。その作風は唯一無二で、一目見れば蕭白の作だとわかる。京都の染物屋に生まれ育ったが、10代で両親と兄を亡くしたのち、長年にわたって地方を転々とした。一時は画家に弟子入りして絵を学んだともいわれる。京都に戻ると、画室を構えてさらに表現の幅を広げ、ついには京都を代表する画家となって、当時、折々に出版されていた、京都で活躍する文化人の人名録『平安人物志』に、若冲や応挙とともに名を連ねた。蕭白が活躍した江戸中期は、伝統的な流派に属さない画家が増え、斬新で個性的な表現が活発に行われるようになった時代だった。