江戸絵画の世界

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絵画技法

Image of 狗子図 by Maruyama Ōkyo
Image of 雲龍図屏風 by Tawaraya Sōtatsu
Image of 桜楓に短冊図屏風 by Tosa School
Image of 月に波濤図 by Suzuki Kiitsu

約260年間続いた江戸時代、画家たちは周囲の自然に対する純粋で温かい眼差しを表現するため、さまざまな絵画技法を生み出した。そのうち、17世紀初頭に俵屋宗達が発明したのが、墨が水の上でにじんで思わぬ効果を生む「たらし込み」の技法である。まず薄い墨で描き、乾く前に上から濃い墨を垂らすと、墨の濃淡が自然に混ざり合う。それにより、《雲龍図》に見られるような幻想的な画面が生まれるのだ。また、力強い墨線によって対象の本質をとらえ、抽象的な表現を発展させた画家たちもいた。

日本人は古来、自然に親しむことで着想を得て、絵や詩に表現してきたが、18世紀後半、円山応挙がそうした制作態度を「写生」による表現へと昇華した。《狗子図》に見られるように、動物を観察し、その一瞬の動きを印象的な姿に描き出すことで、その心の内まで表現したのである。また、日本では伝統的に、書の流れるような筆遣いに端を発する、文章と絵を組み合わせる芸術表現が行われてきたが、江戸時代にはそれがさらなる発展を遂げた。