俵屋宗達(1570年頃–1643年頃)は謎多き画家であり、生涯についてほとんど分かっていないが、17世紀初頭に京都で、絵を描いた扇を主力商品とする「俵屋」を営んでいたことが知られる。宗達が手がける独創的な扇絵は人気となり、ついには京都の上質な扇子全般が「俵屋」と呼ばれるまでになった。当初は、主に町人や商人向けに絵を描いたが、生き生きとした構図、優れたデザイン性、抽象的な描写、斬新な技法など、たぐいまれな才能で名を馳せた。その評判は朝廷にまで届き、注文を受けた。晩年には、江戸時代を代表する優れた屏風絵を複数手がけた。