江戸絵画の世界

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作品に出会う / テーマから

空の生き物

Image of 烏鷺図屏風 by Shibata Zeshin
Image of 松海棠に鷹図 by Soga Shōhaku
Image of 群鶏図 by Itō Jakuchū
Image of 竹に鶴図屏風 by Kanō School

江戸時代の画家は、動く鳥の姿を絵筆にとらえた。一体となって飛ぶ群れ、画面外の獲物を狙うつがい、餌をついばむ親子など、互いに関わり合い、環境に即して行動する、実在の、あるいは想像上の鳥たちだ。

その描写力は、今でいう科学的な緻密さを備えており、羽毛の複雑な形や多種多様な色合い、脚のうろこ状の皮膚、伏し目がちの鋭い眼差しまで、非常に精緻である。画家たちは、丁寧で根気強い観察の末に、そうした細かく生き生きとした表現をものにした。その苦労は、制作の準備段階で描いた、緻密な下絵に見て取れる。現代の鳥類研究においては、科学的観察が極めて重要であり、それにより、鳥がいかに陸や空、海を移動するのかが解明されてきたが、江戸絵画に登場する鳥たちを見ていると、当時の画家が自然観察を通じて、すでにどれほど多くのことを把握していたのだろうと感嘆させられる。