江戸絵画の世界

JPP Logo
作品に出会う / テーマから

陸の生き物

Image of 餅花に鼠図 by Nagasawa Rosetsu
Image of 水辺群虎図屏風 by Ganku
Image of 狸図 by Mori Sosen
Image of 草虫図巻 by Yamamoto Baiitsu

日本では古来、動物が登場する民話が伝承されてきた。なかでも有名な『桃太郎』では、桃から生まれた男の子が、鬼退治のため、仲間である犬、猿、雉を引き連れて鬼ヶ島へと向かう。こうした民話に登場する動物のうち、狐や狸は、人間の姿に化けて悪さをする役回りが定番だが、他の動物や鳥は、村人に恩返しをしたり、知恵を授けたりする存在として語られる。

一方、江戸時代の絵画においては、虎は日本には生息していなかったため、たいてい猫を思わせる姿に表されたが、他の動物は人間と隣り合わせで暮らしていたため、丁寧な観察に基づいて描かれた。人間は身近な動物と、食べ物や住まい、自然環境を分かち合い、共生していたのである。そして画家たちは、喜び勇んで激流を渡る馬の群れや、我が子を対岸に運ぼうとする母虎など、まるで人間のごとく感情豊かに描き出した。